2011年9月29日木曜日

レッスン・ダ=モーレ ♡

9月22日、27日の2日にわたり、サントリーホールオペラ・アカデミー主催
「ジュゼッぺ・サッバティーニによる公開マスタークラス」を聴講できた。
サントリーホール・ブルーローズ(18時30分~)。

22日は、基礎テクニック編と称して、発声や体の使い方などを中心に。
27日は、楽曲解釈編。曲の内容や解釈まで踏み込んだレベルでの指導。
生徒は音楽大学大学院在学以上、オペラ研究生など、
各コンクールの入賞経験もありそうな才気あふれる新進気鋭の演奏家ばかり。
「どこが悪いの?」と思うくらい、ハイレベルなのだが、
ひとたび師匠のNGが入ると、一皮もふた皮もむけて垢ぬけた音色になる。
まるで小学生のリコーダーよろしく鳴っていた「楽器」が
某有名メーカーの音にグレードアップするかのよう。

テクニック重視の初日では、腹筋のささえと響きの場所のチェックがもれなく
入った。これは、歌うものにとっての共通課題というもの。自分の身体が
楽器であることの宿命でもある。
楽曲解釈編では、歌詞を細かく分析して、男女の機微を効果的に表現する。
ときどき艶っぽいジョークを交えながらリードするサッバティーニ氏。
これがホントのセクシーといふものじゃ!
愛の神、アモルがステージのあっちこっちで飛び回っているではないか。
失礼ながら、いつもこの調子でプライベートでもご指南されるのだろうか、
と余計な妄想をしてしまう。

イタリアというお国柄、さすがに「愛」の歌は本場だ。無粋なゲルマンの
男たちにはわかるまい。新橋あたりのオヤジたちも然り、とひとり独善的・
差別的に納得。
芸術の表現力はテクニックだけでは、なかなかカバーできないものだと実感した。
しかし、生徒のみなさんはじつにすばらしかった。かれらの未来に乾杯! 
次は、是非、劇場でお会いしたい。

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