2013年2月12日火曜日

がんばれ地方の受験生

2月は中・高・大の受験シーズン。
首都圏まででかけてきて入試を受ける高校生も多い。

かく言う自分も、地方からのこのこと上京して受験した口であった。

おそらく、首都圏の大学を受けるのに首都圏の高校生は
わからないことがある。

それは、試験以外の雑用の多さだ。

1. 受験校を決める。
2. 入試要項を取り寄せる。
3. 応募書類を作成。
4. 受験料を振り込む。
5. 応募書類を大学に提出。
6. 試験会場近くの宿泊施設を予約。
7. 試験日程に合わせて交通チケットを予約。
8. 受験。
9. 発表。

となるのだが、1.と2.の間には学費負担者となる親を説得し、
スポンサーを確保しなければならない。

自分の場合、首都圏に親戚もなかったため
宿泊施設から交通チケットまですべて
自分で手配した。親はもちろんスポンサーであったが、
「費用は負担するが、手続きは自分で」との条件だったのだ。

今は無きブルートレインに母と友人、友人の母と乗り込み
受験旅行を敢行。宿泊は横浜のホテルだった。

試験当日はみごと大雪。

薄手のジャケットという軽装で震えながら
暖房もろくに効かない階段教室で
イギリス人の怖い試験監督の下、
頭を真っ白にしながら試験を受けた。

そして、試験が終わり、校門で私を待っていたのは
デパートの紙袋をいっぱい抱えた母だった。
曰く「これが(ここに来られる)最後かもしれないからね」
「おお、冗談じゃない。不吉なことを言わないでよ」
と思ったものだが。実際、これで最後かなとも思ったものだ。

しかし、予想は見事はずれて、その年の春、
なんとか大学生になれた。

それから早や数十年。毎年、この時期に地方からやってくる
受験生の群れに出くわすと、こっそり応援したくなる。
試験以前のストレスを抱えながら頑張っている彼らに。