2011年9月19日月曜日

1989の記憶

地元の図書館では不要となった資料を
「リサイクル資料」として、利用者に無償提供している。
リサイクル棚におかれた資料や本は、好きなだけ「ご自由にお持ち帰り」ができるのだ。

資料は、古い地図、年鑑、ばらばらになったシリーズもの等々。
購入したが一度も利用がなかった資料や古くなった資料が多い。
先日、そのなかから1冊をえらびいただいてきた。

朝日新聞社刊「朝日年間1990」。
1990年刊とは、その前年1989年(昭和64年/平成元年)の出来事を収録した年鑑だ。
ぱらぱらとページをめくるうちに、立ち読みでは済まされない
妙な吸着力の強さに抗うことができなかった。

なによりも、東西ドイツがまだ存在していた。ソ連も。
日本のGNPはアメリカに次いで世界第2位だし、
公定歩合はちゃんと%らしい数字が出ている。

統計資料は単純な数字の羅列。
そのなかから歴史の1場面が見え隠れする。

そして興味深いのは、ページのあちこちにみられる広告欄。
老舗の会社から、いまは存在しない会社まで。
当時の最新商品は、いまや博物館なみ。

そうそう、1989年は消費税が導入された年でもあった。
ひとことで言い表せない、ヘンな年。
この年を経験したことは良かったのか、悪かったのか―。
いまだにわからない。

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