2011年9月16日金曜日

涙の表現

新聞のTV番組欄で、よくみかけるのが「○○も号泣!」という
バラエティ番組や情報番組のキャッチコピーの表現だ。

号泣は、その字のとおり、大声をあげて泣くこと、泣き叫ぶこと。
人の死にさいして泣くのは「哀号」という言い方もあるくらい、
悲しみをドラマチックに表現する涙といえる。

しかし最近ではそれが、「涙をぼろぼろ流して泣く」という場面にも
使われるようになっている。
文化庁が9月15日に発表した国語世論調査で、この「号泣」も、本来の意味と
ことなる使われ方をする言葉として例にあがった。

いったい「泣く」「涙」を表す言葉はどれくらいあるのだろうか。
類語辞典(講談社)によれば、形容詞も含めるとざっと160種。
号泣、慟哭、落涙、感涙、むせび泣く、忍び泣く
さめざめ、しくしく、はらはら、ぼろぼろ、めそめそ、わんわん、くすん、うるうる・・・。

それらを全部「号泣」のひとことで言い切ってしまうのは
乱暴なセンスとしか言いようがない。
貧相な表現力は、デジタル放送もカバーできない。
ホントに情けなくて泣きたくなってしまう。

0 件のコメント: