2011年10月19日水曜日

林檎社電脳事始

IT界の革命児、スティーブ・ジョブ氏には自分も少なからずお世話になった。
そもそもコンピュータとの付き合いは、社会人1年生から始まったのだが、当時は
Apple製品が日本の職場で市民権を得る前の時代。
ワープロ、ファクスがようやくOA機器に登場し、原稿のやりとりが
ファクスでも失礼でなくなるのはまだ少し先で。

OLとよばれる女性たちが英文タイピングの腕を競い、
黒地に緑文字の英数字だけのモニタを必死に追っていたころ。
リアルタイムの電話通信ならメールの送受信が可能であり。
IBMのコンピュータが優勢を誇っていた。

そんなとき、あるプレスビューによばれた。
それは、新発売のAppleのノートPCだった。
ミニスカートのキャンペーンガールがスーツケースよろしく
軽々と持ち上げている白いPCは、ドレッサーのようにオシャレでまぶしかった。

それから5年もたたないうちに、Macはデスクにやってきた。
DTPという言葉が巷で闊歩し始め、アナログ編集長も自分のPCを
持つようになり、紙の版下と校正紙がどんどんモニタに吸い取られていった。

いま、壊れたApple社のPCに替り、仕事で使うのはライバル社のビジネスPC。
WEB環境は確かにスムーズだが、質実剛健という言葉が似合う
野武士のような武骨さをみるにつけ、
隅々までオシャレな遊び心一杯のMacが恋しいときもある。

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