2012年2月15日水曜日

印象派再発見

2月10日、箱根・仙石原のポーラ美術館を訪れた。
ポーラ美術館は2002年の開館から10年。
2010年に公益財団法人化された、ちょっと存在感のある美術館だ。

企業オーナーが40年余をかけ集めた、9500点の美術コレクションは、
19世紀フランス印象派、エコール・ド・パリといった近代西洋絵画のほか、
日本の洋画、日本画、東洋陶磁、日本の近現代陶磁、ガラス工芸、
そして化粧道具など、多岐にわたる。

コレクションだけで企画展が出来てしまうのが、この美術館のすごいところだ。
「印象派の行方-モネ、ルノワールと次世代の画家たち」
2012年1月21日~7月8日

日本人が大好きな印象派の展覧会は、
最近ちょっと多すぎて食傷気味だったのだが。
印象派の双頭と次世代の作品を1点ずつ次々を並べた比較展示は
ベタながら潔い企画。

「第1部 1886年-ゆらぐ印象派」では、モネ、ルノワール、セザンヌらが
印象派からの離脱を、「第2部 1900年以降-次世代のまなざし」では
印象派を離脱した彼らが受けたフォービスムの影響や
ピカソ、マティスといった抽象画家たちとの接点を探るというもの。

キュビスムのピカソがルノワール作品のコレクターだったことや、
マティスがルノワールに影響されたことなど
美術史では次世代の旗手たちが、もれなく印象派とともにあり、
モネ、ルノワールたちの変化も時代とともに見受けられ。

なかでも興味深かったのは、
「ピエール・ボナールのアトリエの壁 1945年」という、1枚の写真。
アトリエの壁には、他の画家たちの作品が印刷された絵葉書が点在し、
当時ボナールが受けた影響をそのまま写し出していたのだ。

・・・という訳で、ちょっと見方を変えれば
見なれた名作もまた新しい発見が生まれるというもの。
都心から片道2時間のバス旅は、印象派「再発見」の小旅行だった。

この美術館はスーラ、シニャックらの点描が
ゆったり観られる空間だ。
作品の対角線×2倍という理想の距離を、存分に楽しめるのだから。

地形を利用したユニークな外観

ギャラリー仕立ての併設カフェ



     ☆併設レストランで“再現”された「ルノワール家のごちそう」  企画展限定コース☆ 
                    
                        スープ「ブイヤベース アレイ風」

                
                       ☆ 
                             

メインD 「鶏のロースト」 
☆ 

デザート「クリームブリュレ チョコレートアイス添え」

                                                              ☆当日の印象☆ 

中井SAで“収穫”!