2012年1月27日金曜日

寒梅のプライド

雪も積り、今年の冬は久しぶりに大寒らしい大寒だ。
巷では大学入試センター試験が行われ、高校も推薦入試が始まり、
受験生たちにとっては、過酷な時期だ。

緊張感と高いテンションでみたされるこの季節は、
寒風にさらされる梅一輪の白が潔い。

つらいけど、凛と胸を張り、北風に向かってほしい。

かつての大人は、こたつで丸くなってますから・・・。

2012年1月6日金曜日

年頭のごあいさつ

旧年よりの業務満載、の事情も手伝ってか
各所へのご挨拶が遅れ気味の2012年。

気分だけでも辰年にふさわしく
昇り竜のような上昇気流に乗りたいもの。

皆さまにとっては、本年も健やかに。
そして、よろしくお願いいたします。

2011年12月31日土曜日

締めの言葉は…

なんのかのと2011年大晦日。
日本に暮らしているかぎり、世間胸算用並みの忙しさは
つきまとうものだ。

大掃除、郵便局、買い出し・・・の合間に
ちょこちょことお客様(来猫)のお相手。
彼らの食事のすきをみはからって、カットに行く。

2011年は、3月11日を境に2年分の歳を取った気分。
歳は取りたくないが、早く過ぎてほしい年だった。

来年2012年は、
良い意味でのミラクルがいろいろなところで起きてほしい、
そんな願いを込めて、年賀状にMagic Dragonを入れてみた。

さあ、今年の締めは「お疲れ様」
そして「まだまだ~ing」。
持続可能性をもとめて、前へ・・・!

来年もよろしくお願いいたします。

2011年12月18日日曜日

一目惚れのKUNIYOSHI

「好きな浮世絵師を1人挙げよ」と言われたら、
私は迷わず「歌川国芳」※と答える。
いつ見てもワクワクする作風で、一度見たら忘れられないからだ。

国芳は歌麿、広重らと比べると知名度はいま一つかもしれない。
しかし、東京スカイツリーの予見かと騒がれた「東都三ツ股の図」、
猫や雀をモチーフにして人間社会を投影した独特の作品は、
おそらくだれもが一度は見たことがあるはずだ。

その没後150年を記念した展覧会が東京・六本木で始まった。
会場となった森アーツセンターギャラリーには、
まるで重ね摺りを思わせるように、これでもか、これでもかと
前後期合わせて420点の作品が所狭しと並ぶ。

展覧会の構成は、武者絵、説話、役者絵、美人画、子ども絵、風景画、
摺物と動物画、戯画、風俗・娯楽・情報、肉筆画など10章にわたる。
国芳をとことん知るには十分といえるだろう。

しかも、前後期でほとんどの作品が入れ替わるというから
お目当ての作品が見たかったら要注意。早めに一度訪れて
「あれ、あの絵がない」と思ったら再度見なければならない。

国芳の魅力は、モダンでハイセンスな構成力。
躍動感のある巧みなレイアウト、柄やアイテムのおしゃれなこと、
嫌みのない効果的なデフォルメ、そして確かなデッサン力。
猫好きにはたまらない猫素材も見逃せない。

とにかくメリハリの効いた画風が「カッコいい!」。
作品から生命感あふれる主人公たちの生き生きとした姿が
次々と飛び出してくる。音楽なら、ジャズかコンチネンタル・ロック、
いやいや邦楽ロックといったところか♪♪♪

幕末という時代を反映してか、西洋絵画の影響もたっぷりだから
「あれ。この画風はあの画家の?」と突っ込みたくなるところも多々あって、
謎解きにも一役買っている。

記念の年の最後に滑り込んだサプライズ企画のような展覧会だ。

<本日のカタチ> 歌川国芳展 プレスビューより

■没後150年歌川国芳展
2011年12月17日~2012年2月12日
森アーツギャラリーセンター(六本木ヒルズ森タワー52F)
※歌川国芳(うたがわ・くによし)
江戸・日本橋、1797年生まれ。1861年没。
歌川豊国に師事。
いくつもの人体を組み合わせた人面画「みかけハこハゐが
とんだいゝ人だ」は、まるで果物で人の顔を構成した
マニエリスムの代表画家、ジュゼッぺ・アンチンボルドの
作風を思わせる。

猫もいっぱい


2011年12月2日金曜日

マニア・マニア

先日、映画「ピアノマニア」(東京では2012年1月公開)の
試写を観る機会に恵まれた。
ピアノの老舗メーカー・スタインウエイ社を代表する
熟練調律師の現場を追ったドキュメンタリーだ。

「完璧なピアノの音」を求めて、
演奏者と音色づくりに丁々発止のやりとりが繰り広げられる。
誕生から300年余、サロンや室内で個人的に楽しまれていたピアノは、
多くの聴衆に音楽を届けるための楽器に発展した。

近代音楽の基礎が固められると、
演奏家にはさまざまな音の仕掛けが求められるようになった。
音の強弱、軟弱、ニュアンスなど、
音作りのための細かい指示が書きこまれた複雑なスコアがそれを語っている。

この映画は、一流の演奏家による≪フーガの技法≫(バッハ作曲)の録音をメインに、
それに携わるプロたちの姿をそのまま描いたもの。
主人公のシュテファン・クニュップファーが
老舗メーカーのピアノの音作りに心血を注ぐ様子を、
いくつかのエピソードを交えながら紹介している。
ラン・ラン、ブレンデル、ピエール=ロラン・エマールらの要求に応えられる音づくりとは…。

それは弱音ペダルの圧力であり、キーハンマーの太さであり、
フェルトの厚みであり、残響板の位置であり、埃の有無であり…。
ロマンティックな世界にありながら、まったく即物的なたたかいでもある。
デフォルメ気味のカメラワーク、完全演奏を聴かせないなど、
徹底してマニアックな構成となっている。

名曲好みのクラシックファンよりもメーカー勤務の理系の方にウケルかも。
私は結構楽しめたのだが。

2011年11月15日火曜日

11月の風物詩

早いもので、11月も第3週に突入した。
今週木曜日はボジョレヌーボーの解禁日。
酉の市とともに、いつの間にか11月の風物詩となってしまった。

この解禁日と勤労感謝の日のある週末に
かつて、「現代用語の基礎知識」「イミダス」「知恵蔵」
という現代語辞典が同日発売されていた。

電話帳や時刻表とほぼ同じサイズの辞典は、
現代社会で必要な用語を中心に、その年の流行や風俗を反映した
資料を加えたもので、年鑑の性質も兼ね備えた「ことば典」だ。

もともとは第二次世界大戦後まもない1948年、英語の流入と
民主主義に基づいた制度改革に対応するために刊行された歴史をもつ
「現代用語の基礎知識」(自由国民社)が、その先駆けだった。
以後、長い間競合なく刊行されていたが、昭和末期に
「イミダス」(講談社)、「知恵蔵」(朝日新聞社)が発刊された。

辞典の性質をこよなく追求した「現代用語」
サイエンス、外国語のセンスに富んでいた「イミダス」
執筆者の裁量が割と自由で論説的だった「知恵蔵」
それぞれ個性があり
価格も2000円前後とお手頃だったため、一時は毎年3冊購入していた。

いまでは2006年に「イミダス」と「知恵蔵」が休刊となり、
「ことば典」はデータベース、web対応が主流となっている。
どうも「知識」が「情報」に負けた感が否めない。

メガ、ギガの単位で管理される情報量も重要だが、
辞典1冊10数センチの厚みは、ブロック替りにスピーカーの土台になり
スカートのしわ伸ばしの重しになったり、
押し花のよき台紙になり、昼寝の枕に欠かせなかった。
そうした恩恵は、ディスクからは生まれない。

2011年11月1日火曜日

当世古書事情②古本まつり2011

神田神保町は、自称“住人”が故郷の次に長く居る町。
毎年秋には、10月末~11月上旬に
「神田古本まつり」と「神保町ブックフェスティバル」が開催される。
ほぼ同じエリアで開催される2つの「本」まつりだが、微妙にコンセプトが
異なる。

今年52回目の「神田古本まつり」は、神田神保町界隈の
古書店が靖国通り沿いを中心に設置した特設テントで出張販売する
古本大放出バーゲン。
各店の個性的な「お宝」ものがずらりと軒を連ねる。古書というより
古文書にちかい代物もあり、見て回る人々も年を重ねた御仁が多い。

一方、今年開催21回目となる「神保町フェスティバル」は、書店というより
出版社が自社製品を直接バーゲンするワゴンセール。
バーゲンブックというわけではないが「ワケあり」ものがあったりして、
新品を安く買いたい人向け。会場も靖国通りより1本南に入った
すずらん通りが中心だ。日程も「古本まつり」より短い2日間で、
こちらは近隣のレストラン等も参加するため、
カレー、中華、ビールなどのメニューも豊富。

不況や震災のあおりを受けて、今年も「街の本屋さん」は激減したし、
出版不況はますます深刻な事態。
ひところは、身動きがとれないほどぎゅうづめだった靖国通り沿いの
歩道は、出店テントが減ったのか、北風に吹きさらされ。

それでも、昭和の希少本をゲットした。
『音楽の現場』芥川也寸志 /音楽之友社 1962年刊
トスカニーニ、クナッパーツブッシュ(出版当時まだ存命中だった!)など
巨匠の雄姿が満載! 夜長の秋にぴったりだ。