先日、映画「ピアノマニア」(東京では2012年1月公開)の
試写を観る機会に恵まれた。
ピアノの老舗メーカー・スタインウエイ社を代表する
熟練調律師の現場を追ったドキュメンタリーだ。
「完璧なピアノの音」を求めて、
演奏者と音色づくりに丁々発止のやりとりが繰り広げられる。
誕生から300年余、サロンや室内で個人的に楽しまれていたピアノは、
多くの聴衆に音楽を届けるための楽器に発展した。
近代音楽の基礎が固められると、
演奏家にはさまざまな音の仕掛けが求められるようになった。
音の強弱、軟弱、ニュアンスなど、
音作りのための細かい指示が書きこまれた複雑なスコアがそれを語っている。
この映画は、一流の演奏家による≪フーガの技法≫(バッハ作曲)の録音をメインに、
それに携わるプロたちの姿をそのまま描いたもの。
主人公のシュテファン・クニュップファーが
老舗メーカーのピアノの音作りに心血を注ぐ様子を、
いくつかのエピソードを交えながら紹介している。
ラン・ラン、ブレンデル、ピエール=ロラン・エマールらの要求に応えられる音づくりとは…。
それは弱音ペダルの圧力であり、キーハンマーの太さであり、
フェルトの厚みであり、残響板の位置であり、埃の有無であり…。
ロマンティックな世界にありながら、まったく即物的なたたかいでもある。
デフォルメ気味のカメラワーク、完全演奏を聴かせないなど、
徹底してマニアックな構成となっている。
名曲好みのクラシックファンよりもメーカー勤務の理系の方にウケルかも。
私は結構楽しめたのだが。
2011年12月2日金曜日
2011年10月24日月曜日
福に敬礼!
昨日、声楽一門の発表会が終わった。
成人を対象とした小スタジオでのコンサートは、
毎年、和気あいあいとしたもの。縁あって10数年のお付き合いになる。
この会の良い所は、高齢者が多いところ。
門下生のなかでは長老株の私も、年代順ではまだまだ“小娘”の領域にいる。
だから、入門以来ずっと雑用が続いている。
成人を対象とした小スタジオでのコンサートは、
毎年、和気あいあいとしたもの。縁あって10数年のお付き合いになる。
この会の良い所は、高齢者が多いところ。
門下生のなかでは長老株の私も、年代順ではまだまだ“小娘”の領域にいる。
だから、入門以来ずっと雑用が続いている。
ギャラリーはおもに出演者の家族や友人たち。
喜寿のカルメン、ミミ、ドン・ホセ、アラ還のケルビーノ・・・。
楽屋では「あら、また太ったわ」と70代のお姉さま方が新調のドレスに
いそいそと袖を通し、メイクアップに余念がない。
そんな元気がこの会をささえている。
訪れる友人の多くは「パワーアップした!」と朗らかに帰っていく。
疲弊した現役世代には、良いカンフルだ♪
差し入れにいただいた「招き猫もなか」でさらにハッピー♪♪♪
<本日のカタチ> 招福もなか
2011年9月29日木曜日
レッスン・ダ=モーレ ♡
9月22日、27日の2日にわたり、サントリーホールオペラ・アカデミー主催
「ジュゼッぺ・サッバティーニによる公開マスタークラス」を聴講できた。
サントリーホール・ブルーローズ(18時30分~)。
22日は、基礎テクニック編と称して、発声や体の使い方などを中心に。
27日は、楽曲解釈編。曲の内容や解釈まで踏み込んだレベルでの指導。
生徒は音楽大学大学院在学以上、オペラ研究生など、
各コンクールの入賞経験もありそうな才気あふれる新進気鋭の演奏家ばかり。
「どこが悪いの?」と思うくらい、ハイレベルなのだが、
ひとたび師匠のNGが入ると、一皮もふた皮もむけて垢ぬけた音色になる。
まるで小学生のリコーダーよろしく鳴っていた「楽器」が
某有名メーカーの音にグレードアップするかのよう。
テクニック重視の初日では、腹筋のささえと響きの場所のチェックがもれなく
入った。これは、歌うものにとっての共通課題というもの。自分の身体が
楽器であることの宿命でもある。
楽曲解釈編では、歌詞を細かく分析して、男女の機微を効果的に表現する。
ときどき艶っぽいジョークを交えながらリードするサッバティーニ氏。
これがホントのセクシーといふものじゃ!
愛の神、アモルがステージのあっちこっちで飛び回っているではないか。
失礼ながら、いつもこの調子でプライベートでもご指南されるのだろうか、
と余計な妄想をしてしまう。
イタリアというお国柄、さすがに「愛」の歌は本場だ。無粋なゲルマンの
男たちにはわかるまい。新橋あたりのオヤジたちも然り、とひとり独善的・
差別的に納得。
芸術の表現力はテクニックだけでは、なかなかカバーできないものだと実感した。
しかし、生徒のみなさんはじつにすばらしかった。かれらの未来に乾杯!
次は、是非、劇場でお会いしたい。
「ジュゼッぺ・サッバティーニによる公開マスタークラス」を聴講できた。
サントリーホール・ブルーローズ(18時30分~)。
22日は、基礎テクニック編と称して、発声や体の使い方などを中心に。
27日は、楽曲解釈編。曲の内容や解釈まで踏み込んだレベルでの指導。
生徒は音楽大学大学院在学以上、オペラ研究生など、
各コンクールの入賞経験もありそうな才気あふれる新進気鋭の演奏家ばかり。
「どこが悪いの?」と思うくらい、ハイレベルなのだが、
ひとたび師匠のNGが入ると、一皮もふた皮もむけて垢ぬけた音色になる。
まるで小学生のリコーダーよろしく鳴っていた「楽器」が
某有名メーカーの音にグレードアップするかのよう。
テクニック重視の初日では、腹筋のささえと響きの場所のチェックがもれなく
入った。これは、歌うものにとっての共通課題というもの。自分の身体が
楽器であることの宿命でもある。
楽曲解釈編では、歌詞を細かく分析して、男女の機微を効果的に表現する。
ときどき艶っぽいジョークを交えながらリードするサッバティーニ氏。
これがホントのセクシーといふものじゃ!
愛の神、アモルがステージのあっちこっちで飛び回っているではないか。
失礼ながら、いつもこの調子でプライベートでもご指南されるのだろうか、
と余計な妄想をしてしまう。
イタリアというお国柄、さすがに「愛」の歌は本場だ。無粋なゲルマンの
男たちにはわかるまい。新橋あたりのオヤジたちも然り、とひとり独善的・
差別的に納得。
芸術の表現力はテクニックだけでは、なかなかカバーできないものだと実感した。
しかし、生徒のみなさんはじつにすばらしかった。かれらの未来に乾杯!
次は、是非、劇場でお会いしたい。
2011年9月23日金曜日
Oh! Italiano♪♪♪♪
9月22日、江戸東京博物館(東京・両国)の「世界遺産 ヴェネツィア展」の
内覧会(本展は9月23日~12月11日)に出席。
ラグーナとよばれる潟にかこまれた街ヴェネツィアの歴史を
その最盛期の美術作品と資料で見せる展覧会だ。
ヴェネツィアは、ペトラルカ、バイロン、ゲーテ、シャトーブリアン、ワーグナー、
プルースト、モーパッサン、ジョルジュ・サンド、ダヌンツィオ、コクトー、
スタンダール、トーマス・マン、ニーチェ等、
多くの作家たちの心をとらえてきた魅力の街(共和国)でもある。
「生徒は多くて2人、持ち時間は1人1時間で終了は20時30分ころ」とふんでいたのだが。
内覧会(本展は9月23日~12月11日)に出席。
ラグーナとよばれる潟にかこまれた街ヴェネツィアの歴史を
その最盛期の美術作品と資料で見せる展覧会だ。
ヴェネツィアは、ペトラルカ、バイロン、ゲーテ、シャトーブリアン、ワーグナー、
プルースト、モーパッサン、ジョルジュ・サンド、ダヌンツィオ、コクトー、
スタンダール、トーマス・マン、ニーチェ等、
多くの作家たちの心をとらえてきた魅力の街(共和国)でもある。
本展の圧巻は、数々のテンペラ画。
各コーナーに、これでもか、と並ぶ職人たちの技の結集は、
数世紀経ったとは思えない色彩の鮮やかさと、板絵ならではの深みが
各コーナーに、これでもか、と並ぶ職人たちの技の結集は、
数世紀経ったとは思えない色彩の鮮やかさと、板絵ならではの深みが
じっくり味わえる。これは、別の機会にまたゆっくり見て回りたい。
某社で携わったビジュアル系ガイドブックを思い出し、
テンペラ独特のにおいに半ば酔いながら、しばし隣の国技興行を忘れた。
その後は、溜池山王へ。サントリーホールオペラ・アカデミー主催
「ジュゼッぺ・サッバティーニによる公開マスタークラス」聴講に向かった。
サントリーホール・ブルーローズ(小)、18時30分~。
これが、甘かった。45分のレッスンが3人分も続いた。しかも生徒によっては
1時間以上もかかってしまい、終了したのが21時20分すぎ。
その間休憩はたったの5分。
生徒は日本の優秀な若手ホープたち。最初はやる気まんまんだったのだが、
立て続けに何度もNGを出す師匠に「もう、かんべんして!」と言いたげな目が・・・。
おかげでギャラリーは、世界のテノールの軟口蓋を何度も拝ませていただいた。
これに幕間のワインがあれば、言うことなし! Italiano な1日♪♪
<本日のカタチ・両国>
![]() |
| お隣では2011年秋場所 |
| 水辺のまち江戸・両国でヴェネツィア展 |
2011年9月21日水曜日
タケミツに恋して?
図書館から借りた本の返却期限が迫っている。
『作曲家・武満徹との日々を語る』(武満浅香著/小学館、2006年)
1996年2月20日に死去した武満徹の妻・浅香さんに
小学館・武満徹全集編集長の大原哲夫氏がインタビューしたものだ。
対話型のテキストだからさらっと読めるかと踏んでいたら
これがなかなか深い内容で、欄外の註釈も読み応えがあった。
過去にその合唱作品を演奏した経験からだろうか。
自分にとって、武満徹(タケミツ)は意外と身近に感じられる現代の作曲家だ。
生前、何度か都内の有名ホールや、現代音楽のコンサートなどで見かけた。
多くの現代音楽とよばれる作品には
何調なんだかよくわからない、雑音と演奏音の区別すら不明な
「主張だけが命」のような音とリズムがあふれている。
それらは、
モーツァルトやブラームスのような甘美な旋律をもたないし、
チャイコフスキーやショパンの哀愁も感じられない。
コンサートホールの空間には、「わけわからん」音があちこちに
ほうりだされ、観客はその音の所在をつかむ余裕もなく
とまどうばかり・・・、というのが現実だ。
しかし、
タケミツ氏はそうしたコンサートによく姿を現した。
招待席での「オシゴト」であったかもしれないが。
全自由席のコンサートでは、たいてい最後列ド真ん中に鎮座されていた。
「きょうあたりは来ているはず」と思って、あたりを見回すと
あの火星人のような風貌が静かな存在感を示していて、
ちょっと面白くてちょっとほっとしたものだ。
さて、この本。
ファンとして垂涎ものといえるのは、写真。
娘を抱く姿、菜園での作業風景、数々の大物音楽家や
アーティストたちとのショットなど、
おそらくメディアに掲載されなかったであろうプライベートシーンが、次々と現れる。
本人が生きていたら
「(載せるのは)やめてくれよ」と言いそうなカットもあるかも知れない。
貸出延長してみようかな。
『作曲家・武満徹との日々を語る』(武満浅香著/小学館、2006年)
1996年2月20日に死去した武満徹の妻・浅香さんに
小学館・武満徹全集編集長の大原哲夫氏がインタビューしたものだ。
対話型のテキストだからさらっと読めるかと踏んでいたら
これがなかなか深い内容で、欄外の註釈も読み応えがあった。
過去にその合唱作品を演奏した経験からだろうか。
自分にとって、武満徹(タケミツ)は意外と身近に感じられる現代の作曲家だ。
生前、何度か都内の有名ホールや、現代音楽のコンサートなどで見かけた。
多くの現代音楽とよばれる作品には
何調なんだかよくわからない、雑音と演奏音の区別すら不明な
「主張だけが命」のような音とリズムがあふれている。
それらは、
モーツァルトやブラームスのような甘美な旋律をもたないし、
チャイコフスキーやショパンの哀愁も感じられない。
コンサートホールの空間には、「わけわからん」音があちこちに
ほうりだされ、観客はその音の所在をつかむ余裕もなく
とまどうばかり・・・、というのが現実だ。
しかし、
タケミツ氏はそうしたコンサートによく姿を現した。
招待席での「オシゴト」であったかもしれないが。
全自由席のコンサートでは、たいてい最後列ド真ん中に鎮座されていた。
「きょうあたりは来ているはず」と思って、あたりを見回すと
あの火星人のような風貌が静かな存在感を示していて、
ちょっと面白くてちょっとほっとしたものだ。
さて、この本。
ファンとして垂涎ものといえるのは、写真。
娘を抱く姿、菜園での作業風景、数々の大物音楽家や
アーティストたちとのショットなど、
おそらくメディアに掲載されなかったであろうプライベートシーンが、次々と現れる。
本人が生きていたら
「(載せるのは)やめてくれよ」と言いそうなカットもあるかも知れない。
貸出延長してみようかな。
2011年9月12日月曜日
イベントの少ない月曜日
札幌の友人が上京しているらしい。
いつも「●●日頃空いてますか」と、間際に飲みましょうメールがあるものだが、
今回は違った。
某駅からサントリーホールまでのアクセスをTwitterでたずねてきたのだ。
駅名から学会であろうと推察。
学会終了後に都内で聞けるコンサートがあれば、ラッキー♪ という腹積りらしい。
うーん。
月曜かあ。美術館・博物館・図書館はほぼお休みだし。
コンサートホールはメンテかリハーサル使用だし(まさか、オケの練習に乗り込むわけにも・・・)。
一応旅行者だから、そんなに入場料のお高いイベントはおススメできないし。
そこで、ほどよいサイズのホールで検索。
・・・あった! 第80回日本音楽コンクール声楽部門予選♪ (トッパンホール)
そうだ! 8月末からすでに各部門の予選が始まっていたのだった。
ギャラリーは関係者で埋め尽くされるかもしれないが。
エントリー出場のみなさん、客席に顔の大きなおじさんをみかけたら、
思いっきりアピールしてやってください♪
いつも「●●日頃空いてますか」と、間際に飲みましょうメールがあるものだが、
今回は違った。
某駅からサントリーホールまでのアクセスをTwitterでたずねてきたのだ。
駅名から学会であろうと推察。
学会終了後に都内で聞けるコンサートがあれば、ラッキー♪ という腹積りらしい。
うーん。
月曜かあ。美術館・博物館・図書館はほぼお休みだし。
コンサートホールはメンテかリハーサル使用だし(まさか、オケの練習に乗り込むわけにも・・・)。
一応旅行者だから、そんなに入場料のお高いイベントはおススメできないし。
そこで、ほどよいサイズのホールで検索。
・・・あった! 第80回日本音楽コンクール声楽部門予選♪ (トッパンホール)
そうだ! 8月末からすでに各部門の予選が始まっていたのだった。
ギャラリーは関係者で埋め尽くされるかもしれないが。
エントリー出場のみなさん、客席に顔の大きなおじさんをみかけたら、
思いっきりアピールしてやってください♪
2011年9月9日金曜日
つながる? つなげる?
「あ・ら・かるちゃー 渋谷、恵比寿、原宿」のプレス・デーに参加した。
渋谷、恵比寿、原宿という3つのエリアは、
谷根千と山手線をはさんでほぼ対極に位置する。
このプロジェクトに参加するのは、21の文化施設。
渋谷、恵比寿、原宿という3つのエリアは、
谷根千と山手線をはさんでほぼ対極に位置する。
このプロジェクトに参加するのは、21の文化施設。
発足から5年経っていたとは初耳だった。
しかし。
アップダウンの多いエリアだから、ちょいとアクセスがむずかしい。
上野のように、“ついでに寄ってこ”が困難な街並みなのだ。
こんな地形だったら、レンタサイクルもきびしいだろう。
人力車があったら風情があるのだろうけど、車屋さんにおこられそうだし。
点在する美術館、博物館、図書館をつないでくれる「ハブ」が
欲しいところ。
ハチ公バスがもう少し路線を増やしてくれないかなあ。
<本日のカタチ>
ヱビスビール記念館
|
区境の角 恵比寿ガーデンプレイス
|
| JICA 地球ひろば カフェのオブジェ |
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