2012年3月6日火曜日

嘘じゃないってば!

このテの話題は極力避けようと思っていたのだが、
最近、気になるコトバ、表現を1つ紹介しよう。

それは、
「ホントですかぁ~」。

比較的若い年代が相手への相槌に使う表現だ。
職場等で、ちょっと蘊蓄などたれようものなら
たちまち「あ、ホントですかぁ」が連発。

いやいや。まだ内輪の会話なら許せる。
取引先との打ち合わせや
面接などのオフィシャルな場面でも、ちょくちょく登場するのだから
きっと「一般的な」表現なのだろう。

しかし
この表現。

「あなたの仰ったこと、わたしには信じられませんけど」って
暗に言われているみたいで、
個人的にはものすごく「不快」なのである。

もし自分なら「あ、そうですねぇ」で済むのに、と
連発される「ホントですかぁ~」に
「嘘じゃないってば!」と、いちいち心の中で抗っている。

2012年2月15日水曜日

印象派再発見

2月10日、箱根・仙石原のポーラ美術館を訪れた。
ポーラ美術館は2002年の開館から10年。
2010年に公益財団法人化された、ちょっと存在感のある美術館だ。

企業オーナーが40年余をかけ集めた、9500点の美術コレクションは、
19世紀フランス印象派、エコール・ド・パリといった近代西洋絵画のほか、
日本の洋画、日本画、東洋陶磁、日本の近現代陶磁、ガラス工芸、
そして化粧道具など、多岐にわたる。

コレクションだけで企画展が出来てしまうのが、この美術館のすごいところだ。
「印象派の行方-モネ、ルノワールと次世代の画家たち」
2012年1月21日~7月8日

日本人が大好きな印象派の展覧会は、
最近ちょっと多すぎて食傷気味だったのだが。
印象派の双頭と次世代の作品を1点ずつ次々を並べた比較展示は
ベタながら潔い企画。

「第1部 1886年-ゆらぐ印象派」では、モネ、ルノワール、セザンヌらが
印象派からの離脱を、「第2部 1900年以降-次世代のまなざし」では
印象派を離脱した彼らが受けたフォービスムの影響や
ピカソ、マティスといった抽象画家たちとの接点を探るというもの。

キュビスムのピカソがルノワール作品のコレクターだったことや、
マティスがルノワールに影響されたことなど
美術史では次世代の旗手たちが、もれなく印象派とともにあり、
モネ、ルノワールたちの変化も時代とともに見受けられ。

なかでも興味深かったのは、
「ピエール・ボナールのアトリエの壁 1945年」という、1枚の写真。
アトリエの壁には、他の画家たちの作品が印刷された絵葉書が点在し、
当時ボナールが受けた影響をそのまま写し出していたのだ。

・・・という訳で、ちょっと見方を変えれば
見なれた名作もまた新しい発見が生まれるというもの。
都心から片道2時間のバス旅は、印象派「再発見」の小旅行だった。

この美術館はスーラ、シニャックらの点描が
ゆったり観られる空間だ。
作品の対角線×2倍という理想の距離を、存分に楽しめるのだから。

地形を利用したユニークな外観

ギャラリー仕立ての併設カフェ



     ☆併設レストランで“再現”された「ルノワール家のごちそう」  企画展限定コース☆ 
                    
                        スープ「ブイヤベース アレイ風」

                
                       ☆ 
                             

メインD 「鶏のロースト」 
☆ 

デザート「クリームブリュレ チョコレートアイス添え」

                                                              ☆当日の印象☆ 

中井SAで“収穫”!
 

2012年1月27日金曜日

寒梅のプライド

雪も積り、今年の冬は久しぶりに大寒らしい大寒だ。
巷では大学入試センター試験が行われ、高校も推薦入試が始まり、
受験生たちにとっては、過酷な時期だ。

緊張感と高いテンションでみたされるこの季節は、
寒風にさらされる梅一輪の白が潔い。

つらいけど、凛と胸を張り、北風に向かってほしい。

かつての大人は、こたつで丸くなってますから・・・。

2012年1月6日金曜日

年頭のごあいさつ

旧年よりの業務満載、の事情も手伝ってか
各所へのご挨拶が遅れ気味の2012年。

気分だけでも辰年にふさわしく
昇り竜のような上昇気流に乗りたいもの。

皆さまにとっては、本年も健やかに。
そして、よろしくお願いいたします。

2011年12月31日土曜日

締めの言葉は…

なんのかのと2011年大晦日。
日本に暮らしているかぎり、世間胸算用並みの忙しさは
つきまとうものだ。

大掃除、郵便局、買い出し・・・の合間に
ちょこちょことお客様(来猫)のお相手。
彼らの食事のすきをみはからって、カットに行く。

2011年は、3月11日を境に2年分の歳を取った気分。
歳は取りたくないが、早く過ぎてほしい年だった。

来年2012年は、
良い意味でのミラクルがいろいろなところで起きてほしい、
そんな願いを込めて、年賀状にMagic Dragonを入れてみた。

さあ、今年の締めは「お疲れ様」
そして「まだまだ~ing」。
持続可能性をもとめて、前へ・・・!

来年もよろしくお願いいたします。

2011年12月18日日曜日

一目惚れのKUNIYOSHI

「好きな浮世絵師を1人挙げよ」と言われたら、
私は迷わず「歌川国芳」※と答える。
いつ見てもワクワクする作風で、一度見たら忘れられないからだ。

国芳は歌麿、広重らと比べると知名度はいま一つかもしれない。
しかし、東京スカイツリーの予見かと騒がれた「東都三ツ股の図」、
猫や雀をモチーフにして人間社会を投影した独特の作品は、
おそらくだれもが一度は見たことがあるはずだ。

その没後150年を記念した展覧会が東京・六本木で始まった。
会場となった森アーツセンターギャラリーには、
まるで重ね摺りを思わせるように、これでもか、これでもかと
前後期合わせて420点の作品が所狭しと並ぶ。

展覧会の構成は、武者絵、説話、役者絵、美人画、子ども絵、風景画、
摺物と動物画、戯画、風俗・娯楽・情報、肉筆画など10章にわたる。
国芳をとことん知るには十分といえるだろう。

しかも、前後期でほとんどの作品が入れ替わるというから
お目当ての作品が見たかったら要注意。早めに一度訪れて
「あれ、あの絵がない」と思ったら再度見なければならない。

国芳の魅力は、モダンでハイセンスな構成力。
躍動感のある巧みなレイアウト、柄やアイテムのおしゃれなこと、
嫌みのない効果的なデフォルメ、そして確かなデッサン力。
猫好きにはたまらない猫素材も見逃せない。

とにかくメリハリの効いた画風が「カッコいい!」。
作品から生命感あふれる主人公たちの生き生きとした姿が
次々と飛び出してくる。音楽なら、ジャズかコンチネンタル・ロック、
いやいや邦楽ロックといったところか♪♪♪

幕末という時代を反映してか、西洋絵画の影響もたっぷりだから
「あれ。この画風はあの画家の?」と突っ込みたくなるところも多々あって、
謎解きにも一役買っている。

記念の年の最後に滑り込んだサプライズ企画のような展覧会だ。

<本日のカタチ> 歌川国芳展 プレスビューより

■没後150年歌川国芳展
2011年12月17日~2012年2月12日
森アーツギャラリーセンター(六本木ヒルズ森タワー52F)
※歌川国芳(うたがわ・くによし)
江戸・日本橋、1797年生まれ。1861年没。
歌川豊国に師事。
いくつもの人体を組み合わせた人面画「みかけハこハゐが
とんだいゝ人だ」は、まるで果物で人の顔を構成した
マニエリスムの代表画家、ジュゼッぺ・アンチンボルドの
作風を思わせる。

猫もいっぱい


2011年12月2日金曜日

マニア・マニア

先日、映画「ピアノマニア」(東京では2012年1月公開)の
試写を観る機会に恵まれた。
ピアノの老舗メーカー・スタインウエイ社を代表する
熟練調律師の現場を追ったドキュメンタリーだ。

「完璧なピアノの音」を求めて、
演奏者と音色づくりに丁々発止のやりとりが繰り広げられる。
誕生から300年余、サロンや室内で個人的に楽しまれていたピアノは、
多くの聴衆に音楽を届けるための楽器に発展した。

近代音楽の基礎が固められると、
演奏家にはさまざまな音の仕掛けが求められるようになった。
音の強弱、軟弱、ニュアンスなど、
音作りのための細かい指示が書きこまれた複雑なスコアがそれを語っている。

この映画は、一流の演奏家による≪フーガの技法≫(バッハ作曲)の録音をメインに、
それに携わるプロたちの姿をそのまま描いたもの。
主人公のシュテファン・クニュップファーが
老舗メーカーのピアノの音作りに心血を注ぐ様子を、
いくつかのエピソードを交えながら紹介している。
ラン・ラン、ブレンデル、ピエール=ロラン・エマールらの要求に応えられる音づくりとは…。

それは弱音ペダルの圧力であり、キーハンマーの太さであり、
フェルトの厚みであり、残響板の位置であり、埃の有無であり…。
ロマンティックな世界にありながら、まったく即物的なたたかいでもある。
デフォルメ気味のカメラワーク、完全演奏を聴かせないなど、
徹底してマニアックな構成となっている。

名曲好みのクラシックファンよりもメーカー勤務の理系の方にウケルかも。
私は結構楽しめたのだが。